index/世界の空から 2005年4月

アメリカ合衆国の国旗Costa Rica帰途のカリフォルニア
世界の空から 2005.4.16 from Costa Rica
 2005年4月9日の金環・皆既日蝕観測のために、
コスタリカへ赴かれた
日蝕貧乏天河星(アマゾン)さんより頂戴致しました。
 ポストカードは、経由地のカリフォルニアのもの。
 お疲れのところ、帰りの機内でしたためて下さったようです。
 ありがとうございますっ!
 投函は日本帰国後でしたので、切手の画像はありませんが…。

外務省:コスタリカ共和国
wikipedia:コスタリカ 地図

Click for San Jose, Costa Rica Forecast
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 お月さまが入った絵柄を選んでいただいて、お心遣い嬉しいです。(^_^)/
 この月は満月間近ですよね?
 カリフォルニアでは海は西側に来る筈で…左手側の雲やランドスケープも濃く色づいていて…夕陽でしょうか?
 あれ〜?!月の欠けた側に太陽がいることになっちゃいます?!
 再び、しげしげとポストカードを眺めてみたのですが、月にも雲がかかっていて…多重露光?合成写真?!
 謎っ!

 今回天河星さんは、コスタリカ南端Punta Bancoという村まで遠征、あいにく天候には恵まれずに金の環は雲の向こう…だったそうです。
 過酷な旅だったようですが、きっと想い出深い旅の一つになったことと思います。

 以下、拙BBSに書き込んで下さった報告文をご紹介します。




 既にご存知の通り、私たちが最も細い金環を求めて目指したコスタリカ南端の観測地は天候に恵まれませんでした。
 でもほとんど手つかずの自然と隣り合わせで過ごした3日間は旅先でもなかなか得難い機会だと思いました。

 宿にも通りにも電話のない村にも教会と学校(施設としては日本の規模の小さな幼稚園の方がよほど立派なものです)はちゃんとありました。
 バスは村から隣町へ行く分には朝と昼の2本ありますが、ある程度大きい町へ出るには朝5時発のバスに乗らねばなりません。帰りは20時頃着の1本だけで、ひげのすっかり白くなった初老の運転手は到着すると一杯ひっかけて帰宅し、翌朝5時に再びやってきて運転を始めます。

 今回は私を誘って下さった長期旅行中のSさんと二人で観測する予定でしたが、数日前に一人、首都San Joseの空港で落ち合って翌朝バスに乗るときにもう一人(インターネットで今回の日蝕のことを知りグァテマラから足をのばしてきたとのことでした)合流し、長期旅行者三人、にわか旅行者一人の都合四人での珍道中となりました。

 金環食帯の詳しい予報が入ったSさんのPCのハードディスクが読めなくなってしまったため、四則演算による手計算で金環食帯を暫定し(時刻についてはなす術がありませんでした)、まともな道などない所を歩いてどうやら金環食帯の中に入りました。
 途中、結果的に当日の行程を支配した難所を抜けて行きましたが、その場所があったせいで朝8時からすっかり日も暮れた20時近くまでの長丁場となってしまいました。
 帰りに夜光虫と、熱帯雨林のはずれを飛翔するホタルを見ることができたのは結構なおまけでした。

 私たちのほかに誰も来ていないだろうと思っていたら、帰り道でやはり極細の金環を求めてフランスからやってきた一行三名(ほかに現地の案内人一人の都合四人)に会いました。
 今年10月3日の金環食と来年3月29日の皆既日蝕の両方リビアで見るという計画を立てているのだと話してくれましたが、日本からはともかく、フランスからリビアというのは近いから楽なのだそうです。その方の言うには10月のマドリードからバルセロナあたりは曇りがちだということでした。

 ちょっと書くつもりで長くなってしまいましたが、道中の様子はここではとても書ききれるものではありません。
 日蝕が曇ったというのが嘘のように思えるほどいろいろな体験をしました。
 いつか機会ができましたら、詳しいお話をさせていただくことにしましょう。



 今回の報告記の件ですが、結局中心食は見ることができなかったので、道中の苦労はともかく特に報告といえる価値のある事柄は何もないと思います。例の最大の難所については私信をご覧ください。

 道中見聞きしたものを忘れることはまずありませんので、たとえ一枚の写真さえ撮らなくとも思い出すのに不自由はしませんし、同じく出来事についても、書きつけておかなくとも今から何十年経っても同じようにお話しすることができるでしょう。

 過去に数度、日蝕を見に行った旅の一部始終とまではいかなくともハイライト部分を記録という形にまとめた経験はありますが、決して読んで面白い、あるいは味がある文章として残ったわけではありませんでした。
 見聞きしたことを淡々とまとめた程度のものになれば上々といったところだったと思います。
 そんなわけで、今回のことを何らかの記録に残しておくつもりは考えていなかったのですが、いずれ何かの形にまとめて貴サイト宛にお送り致しましょう。
 たとえ形になっても、画像の一枚さえない文面だけの記録にしかなりませんが。

 樹の上の猫さんは、私たちが行った観測地から見るとコスタリカとパナマとの国境を含む半島の反対側(パナマ側)のあたりへいらしたようですね。
 こちらでは半島を形作る山の稜線から雲がたびたびあふれてきて、第1接触を待っている間二度まで雨に降られました。
 身を隠すところさえなかったので、波打ちぎわに向かって傾いて生えている木のなるべく太いものの真下に入って雨を凌ぎました。
 私が隠れた木の幹に、カトレアに近縁のブラサボラという蘭が白い花をつけており、カッショクペリカンの群れが一列になって波面すれすれを飛んでいくのを見ていると、観測地で待った6時間ほども決して退屈なものではありませんでした。

報告文:Copyright (C)日蝕貧乏天河星さん

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